本イベントについて
2025年11月9日、東京大学駒場Ⅰキャンパス18号館ホールにて、「いま、水俣病を考える ― 『水俣曼荼羅』全三部上映と対話の会」が開催されました。主催は東京大学総合文化研究科・教養学部 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)、One Month for the Future(OMF)が共催として実施しました。
イベントでは、約6時間にわたる長編ドキュメンタリー『水俣曼荼羅』全三部を通して、水俣病の歴史と向き合いながら、私たちの社会への向き合い方を問い直す場を持ちました。
プログラム概要
- 開場:9:20
- 上映:9:30〜16:24(途中休憩あり)
- 第1部「病像論を糾す」(115分)
- 第2部「時の堆積」(138分)
- 第3部「悶え神」(119分)
- 講演:原一男監督「いま、水俣病に向き合うということ」
- 対話タイム:監督と参加者、OMFゲストによる議論
- 出入り自由のオープンな構成
長時間の上映にもかかわらず、多くの参加者が足を運んでくださり、映画が投げかける問いとじっくり向き合う1日となりました。
イベントの趣旨とOMFの役割

今回の上映会は、水俣病を考えることによって、私たちの現在や未来の課題、そしてそれに向き合う人間の姿を考えることが目的にありました。法律、行政、医療だけでなく、当事者や家族、地域社会など、多様な視点が重層的に描かれる作品を通し、参加者一人ひとりが自分の立場で考える契機となりました。
OMFからは佐々木彩乃、西田優芽、鷲見雄馬が参加して上映後の対話パートを中心に担当しました。
またOMFそしてUTCP双方の立場から宮田晃碩がイベントを統括しました。
UTCPの梶谷真司先生、中川萌子さん、この度は誠にありがとうございました!
当日のハイライト
- 参加者の多くが、「映画を観る」ことを超えた深い体験を語りました。たとえば、「記録映像としての歴史ではなく、“今の自分”が問われている感覚があった」という声が印象的でした。
- 原監督の講演では、長期にわたり当事者と向き合うことの重さや、制作における葛藤が語られました。対話のパートでは参加者から沢山の問いが監督に共有され、その一つ一つに丁寧に回答していただきました。
成果と今後の展望
今回のイベントを通して、参加者の間には次のような変化や気付きが生まれました。
- “知るだけで終わらせない”学びの姿勢の醸成
長時間の上映を観た後の対話により、水俣病を「考え続けるべき問い」として理解する土壌が生まれました。 - 歴史と現在をつなぐ視点の共有
高度成長期の公害問題を、現代の環境危機や地域の課題と結びつけて捉える参加者が多く見られました。 - 次のアクションへの種まき
OMFとしては、- 水俣を訪ねるフィールドワーク
- 『苦海浄土』読書会等の活動にもつなげていく予定です。
おわりに
ご参加いただいた皆さま、そしてご協力・登壇いただいた皆さまに改めて感謝申し上げます。今回の上映会で生まれた対話が、それぞれの生活や地域での新たな行動につながることを願っています。
One Month for the Futureは、これからも「社会に届けられるべき声」に光を当て、多様な立場の人々がともに考え、よりよい社会の実現に向けて動き出せる場をつくっていきます。
今後の活動にもぜひご注目ください。

